鼻うがいについて
寒くなってから、鼻の不調を訴える患者
さんが増えてきます。鼻づまり・後鼻漏・
花粉症・副鼻腔炎など、さまざまな症状の
改善に効くのが「鼻うがい(鼻洗浄)」
です。ただ、方法を間違えると痛かったり
かえって鼻の状態が悪化したりすることも
あります。今回は、医療的な根拠も踏まえ
“正しい鼻うがい”についてお伝えします。
目的は、異物の洗い流し、鼻粘膜の線毛
の働きを正常化することです。アレルゲン
の洗い流しは勿論よいことですし、細菌や
ウイルス感染でも補助的に有効(罹病期間の
短縮とウイルス排出量が有意に減少)という
報告があります(①②)。ぜひ、うまく利用
してください。
まず、快適に鼻洗浄をするためには、生理
食塩水で洗浄する必要があります。鼻に水を
いれて痛くないのか、ということで不安に
思っている方もいると思いますが、体液に
近い塩分濃度の食塩水で洗浄をすると痛みは
出ません。生理食塩水は、塩分濃度0.9%の
水であればそれでOKです。市販の食塩粉末を
水にとかして使用するか、自宅でも水 500ml
に食塩 4.5gを溶解することで作れます。次に
冷水でも作れますが、痛みを感じる原因にも
なるので、37度ぐらいが刺激が少ないです。
温度を調節してください。水200mlだと電子
レンジ600W10秒程度でよく振ればぬるくは
なると思うので、やってもよいと思います。
量は片方に対して100ml程でよさそうです。
多めの液量でゆっくり流すのがよいような
記載がありますが、目安としてお好みでよい
と思います。あと、濃度はやや高い(2-3%)
のも悪くないようです(③)。粘液の粘性が
低下してクリアランスがあがるとか、塩化
イオンの濃度上昇が上皮細胞の抗ウイルス
応答を刺激するとか言われるので、調子が
悪い時は塩分濃度を少し上げるのも良いと
思われます。次に、姿勢です。洗浄時の
姿勢によって、中耳炎を起こすことがある
ので注意が必要です。鼻と耳をつなぐ管、
耳管という構造が鼻の奥にあり、そこに水
が流れていくと耳に入ってしまいます。
うなずく角度、やや下を向くぐらいがよい
です。入った塩水は反対の鼻から出しても
よいですし、鼻の奥からのどへ出しても
良いです。洗浄液がのどに落ちるのが苦手な
方は、「あー」と軽く声を出して洗浄すると
軟口蓋(のど奥のフタ)が閉まって、洗浄液
が落ちにくくなります。洗浄を終えて鼻を
かむときは、強くかまないで、やさしくして
下さい。中耳炎の原因になります。
注意事項のまとめです。ちょうどよい塩分
濃度で行うこと。水はキレイな水を使用する
のが理想です。煮沸して冷ましたものが理想
的です。繰り返し利用できるツールがあると
思いますが、滅菌はメーカー推奨の方法で
ちゃんと行って下さい。すでに中耳炎がある
時や、鼻出血のあるときは控えてください。
洗浄しすぎは粘膜の保湿機能を低下するよう
なので、1日1,2回がよいようです。
① https://www.aafp.org/pubs/afp/issues/2005/1101/p1661.html?utm_source=chatgpt.com
② https://www.nature.com/articles/s41598-018-37703-3?utm_source=chatgpt.com
③ https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11636951/?utm_source=chatgpt.com
