舌下免疫療法について
第72回日本アレルギー学会に参加してまいりました。アレルギー性鼻炎
における舌下免疫療法の位置づけを確認しに行きましたが、やはりこれを
やれるならばやるべき治療だ、という印象をもつ内容でした。
アレルギー性鼻炎の治療としては対症療法(症状が出ないようにする
抗ヒスタミン内服や鼻粘膜の炎症を改善するステロイド点鼻といった
症状が出にくいように抑える治療)が主なものになっております。しかし、
原因がスギ花粉もしくはダニアレルギーだった場合には根治療法である
舌下免疫療法 SubLingual ImmunoTherapy (SLIT)が適応になります。
これは言わば、積極的治療です。アレルゲンが入ってきても鼻症状を
起こさないように体質を改善させる治療です。抗ヒスタミン薬や
ステロイド点鼻薬などが昔よりもよくなっており、それらでも大体は
症状を抑えられるようになったため、あえて時間のかかるSLITを選択
しなくてもよいのではないかという意見もあります。
しかし、SLITはその他の治療と比べ有利な点があります。ちゃんと
治療ができた場合、他のアレルゲンによるアレルギー性鼻炎や
気管支喘息、アレルギー性結膜炎の発症を予防する効果があるようです。
また、治療がうまくいけば抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻といった
薬を使わなくても症状無くすごせるかもしれないですし、使用量を
減らすことが出来るかも知れません。定期通院はある程度面倒なこと
だと思いますが、年中鼻水や鼻づまりでお困りの方は一度治療しても
よいかもしれません。即効性はないのですが、早ければ2,3ヶ月で
効果が実感出来ることもあるようです。
また、小児については健康面についてはもちろんですが、
経済面においても明確に積極的に勧めるべき治療だといえます。
また、比較的目が行き届きやすい時期に治療できるほうが
安定した治療成果を得られるので良いとも伺いました。
是非ご検討ください。